コンセプト

どうして罰を使わないの??

結論から申し上げますと、罰は一時的な効果しかないため使いません。むしろ問題行動を悪化させ、攻撃性が増すということが行動分析学者の文献などからも分かっています。愛犬にチョークチェーンを付け、望まない行動をとったら強い力で締める、といった方法は、犬と飼い主様との信頼関係を壊すだけでなく、記憶力が低下し、学習の効率が悪くなります。反対に、報酬を与えるポジティブなトレーニング方法は、学習の効率が良くなり、問題行動改善へ進みが早いと証明されています。こうしたドッグトレーニングの意義とは、犬と飼い主様が強い絆で結ばれ、お互いにより良い生活を送ることにあります。

②なんといっても、「お散歩」が大事!!

お散歩(有酸素運動)をすることによって、自律神経が安定し、その他の行動にも良い影響があることが分かっています。まずは朝日を愛犬と一緒に浴びてください。すると体内では幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が高まります。セロトニンは、犬の攻撃行動への関与が最も明確になっている神経伝達物質であり、セロトニン量が増加すると攻撃行動の抑制につながります。また、人間にとっても良い効果があります!セロトニンは、しだいにメラトニンへと変化し、そのおかげで質の良い睡眠がとれるようになります。さらに!有酸素運動により血圧や血中脂質、糖代謝の改善、ストレス軽減につながることも分かっています。愛犬にとってお散歩の質を良くするということは、草や土、風の匂いを嗅いだり、草を食べたり、マーキングしたりといった探索活動と縄張り欲求を満たしてあげるということにつながります。そしてさらに飼い主様とのコミュニケーションを取りながら歩くことが、問題行動の改善のために非常に重要だと私は考えます。

③望ましい行動を強化する!

人間はつい、犬の問題とされる行動に目が行きがちです。例えば犬が吠えたときに、「ダメ!」などと何かしら声をかけたりしていませんか?犬の行動がその後もずっと続いているようであれば、実は飼い主さんのその声かけが犬にとっては報酬となり、その結果、吠えるという行動を強化(行動を強める)していることもあるのです。目を合わせたり、声をかけたりというのは犬にとって関心を寄せてもらえた♪という嬉しい結果になってしまっていることも。ではどうしたら良いか??それは、吠える行動とは違う別の「望ましい行動」に対して報酬を与えその行動を強化するといった方法になります。